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君と一緒だから。
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「第二問!空が初めて瀬田に告白したのはいーつだっ!?」
 
「おい、勝っ!」
 
 
またも俺たち関連の出題に苛立ち気味に声を上げるが、まあまあ…とまた流される。 
誰かコイツを止めてくれ…。
 
 
 
「確か小4の冬頃だけど……そんなん正確には分かねぇよー?」
 
 
西藤は小学校から俺達と一緒だったから、他の奴らよりは詳しい。それでも、さすがにお手上げだ。
 
 
 
「勝、こんな誰も答えられないようなクイズを続けたって盛り下がるだけだ。いい加減、普通の問題にしろ」
 
「えぇーっ!だって皆も空のこと知りたいだろぉ!?」
 
 
俺の批判にもめげず勝がバス内を見渡し同意を求めると、知りたいけど…とあちこちから曖昧な声が返ってくる。
 
 
 
「俺、知ってるよ」
 
 
やや盛り下がりを見せ始めた雰囲気の中、紅が不敵に微笑んで見せた。
 
 
紅と空は高校からの付き合い。俺は小学生の頃からの知り合いではあるが、空がした初告白について話したことなんてない。
 
だから、知るはずがない…のだが。
 
 
 
「小4のクリスマス、瀬田ん家のお風呂ん中でしょ?」
 
「……なっ、なぜそれを…」
 
 
当たってる。
 
 
 
「紅、どうして知ってるのー!?」
 
 
空が目を真ん丸に見開いて、何の疑いもなく素直に尋ねた。
 
 
…が、俺は分かった。
 
誰も知らないはずの事実を紅が知る術など、アイツが関わっているとしか考えられない。
 
 
 
「入宮か…」
 
「そ」
 
 
こいつら、何かと腹黒さで気が合うらしく昔から仲が良い。
 
そんな事まで伝わっていたとは…。
 
 
 
「風呂で告白とか怪しいー!まさかお前ら、そのまま風呂ん中でっ!?」
 
 
こんな所で昔のことを暴露されるとは…、と落ち込んでいたら、勝がニヤニヤと鼻の下を伸ばして言った。
 
 
 
「阿呆かっ!まだ小学生だぞ!!」
 
「えぇー、今時、小学生だってエロいことくらいするだろ!?」
 
「お前だけだっ!」
 
「……………。さぁーて、第三問いっくぞぉーっ!!」
 
「シカトかっ!!」
 
 
勢い任せに事を進める勝は、いまいちコントロールしづらい。毎度毎度、勝が突っ走るたびに紅が諌めるのだが、今日の紅は楽しんでいるらしく便乗する始末。
 
誰も勝を止める奴がいない事に憮然としていると、隣の空が袖を引っ張りながら窺うように覗き込んできた。
 
 
 
「まぁまぁ、そんなに怒ってると眉間の皺が深くなっちゃうよ?俺達のことなんかで楽しくなれるなら良いんじゃない?」
 
 
上目使いに覗き込まれると可愛くて堪らない……んだが、今の俺はそんな穏やかな心情じゃあない。
 
 
 
「良くない!お前は自分のことを何でもかんでもバラされて不愉快だと思わんのか?」
 
「ファーストキスも初めて告った日も、別に隠すような事じゃないし。…駄目?」
 
「………、いや…」
 
 
確かに何がなんでも隠さないといけないようなやましいないようではないが。
 
これじゃ、まるで…
 
 
 
「瀬田は心が狭いね」
 
「お前は黙ってろ」
 
 
図星を刺されるのは腹が立つ。
 
しかも、それが紅だったりするから、余計に腹立たしい。睨んでみても、フフンと笑い飛ばされ余計にムカつくだけだった。
 
 
 
「第三問!空の体で1番敏感な所はどーこだっ!!」
 
「へっ?」
 
「いい加減にしろっ!!!」
 
 
さすがにこれは許すには無理があり過ぎる。心が狭いとか気にしてる場合じゃない。
 
怒鳴り付けると勝がムッと口を歪めた。
 
 
 
「なんだよ、文句ばっかりぃー…」
 
「文句を言われるような問題ばかり出すお前が悪いんだろ!」
 
「ちぇー」
 
 
本気で叱って、ようやく勝の勢いが止まる。いちいち全力で接しなければならないなんて疲れる奴だ。
 
 
 
 
 
その後はカラオケ大会。
 
片道1時間半の内の残り時間だけでは全員にマイクが回らず、帰りはカラオケのみにするらしい。
 
 
余計な気苦労をせずに済みそうだと安堵した。
 
 
 
 
 

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