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星の契り



あれから3日ほどで熱も下がり、星夜は家に帰った。
それから学校で良く一緒に居るようになった。



だけどある日、星夜がぱったり学校に来なくなった。



不思議に思い、担任に聞くと、気まずそうな顔をして、星夜の住所を教えてくれた。
私の口からは言えない。と言って。
胸がざわついた。



放課後。担任が書いてくれた地図を見ながら、星夜の自宅に着いた。一軒家らしい。


チャイムを押すと、意外にも星夜が出てきた。


「…久しぶり…」


「星夜!!お前どうしたんだよ、心配したんだぞ」


一週間ぶりにみる星夜は、前よりも痩せた気がする。顔色も悪い。


「ごめんね、」


「いいよ。それより星夜、顔色悪いぞ?大丈夫か?」


星夜は一瞬固まって、すぐに何でもないというように「大丈夫」って誤魔化すように笑った。


「…取りあえず、上がって」


ドアを押さえてくれている星夜のお言葉に甘えてお邪魔させてもらうことにした。


「お邪魔します」


「適当に座って。お茶とコーヒーどっちがいい?」


「じゃコーヒー貰う。悪いな、いきなりお邪魔して」


「ううん。…嬉しいよ」


キッチンからグラスにコーヒーを注ぐ音がする。俺はソファに座ってそれを眺めた。
本当に、痩せたと思う。
先生が言えないことって何だろう。
学校にいるときから、消えない胸のざわつきに嫌な予感がする。


「お待たせ」


「あ、あぁ。ありがとう」


いろいろ考えていたらぎこちない返事になってしまった。


「…なぁ、」


「何?」


聞いても、いいのだろうか。


「あのさ、聞いていいことか、分かんねぇんだけど、お前、どっか悪いのか?」


聞いた瞬間、星夜は固まった。
それは肯定しているようなもので。


「………な、んで?」


「…お前の休んでる理由を聞いたら、担任が、私の口からは言えないって…それ以外にも前から気になったりしてたけど…」


「………そ、か…」


星夜は眉を垂れさせ、俯いた。


「俺に、言えないか?」


「…………、」


拳を強く握りしめ、ぎゅっと唇を噛み締めていたと思ったら、
ぽたぽた、と握りしめた拳に水が落ちた。


「え…おい、無理しなくていいぞ?」


「……ぁ、っ」


泣き出した星夜の背中を摩っていると、堰を切ったように大粒の涙を流した。


「…っお、俺……おれっ」


「…」


「っう…っ…後、2ヶ月も無い」


「………………え?」





「もうすぐ、死ぬんだ」





「…………………………は?」





意味が、分からなかった。







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