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星の契り




「ほら、背中乗れ」



そう言ったものの、いつまで経っても後ろの奴が動く気配が無いので、振り返ると、目をまん丸にして、俺の背中を凝視していた。


「なんだよ、早く。ほら」


軽く手を引くと、意外とあっさり動いた。


そのまま背中に乗せておぶると、そいつは今頃わたわたし始めた。


「ちょ、まっ、て。俺、重い…」


まだ息苦しいのか、途切れ途切れにはなすそいつを軽く無視して立ち上がり、背中の軽さに驚く。


「重いって…冗談だろ?…お前、軽すぎ」


そう。軽かった。





異常なほどに。





「…ごめんね。…ありがとう…」


「…あぁ。少し寝とけ」


その時俺は、なんで謝ってなんで礼を言ったのか分からなかった。

その後そいつが静かに涙を流していたのも、知らなかった。

















――――――――――



俺はアパートに一人暮らしだ。
学校からもそこそこ近いし、親から仕送りもあるし、バイトもしてる。
金には困らない生活をしていた。


玄関に着いて、傘を閉じ鍵を開け中に入る。
帰る途中で寝てしまったそいつは、熱が上がってきたのか、さっきよりも苦しそうだ。
取りあえず玄関に下ろして、壁に寄りかからせた後、タオルを取りに行った。


戻って来ると、うっすら目を開けて、体を動かすのもキツイのか眼球だけを動かして辺りを見ていた。


「俺の家だよ。少しじっとしててな」


そう言った後、そいつの靴を脱がし、持ってきたバスタオルで体をくるんで抱きかかえた。

「っ!!ぁ、ゃめ…」

少し抵抗したが、体力も限界なのかすぐ大人しくなった。


「脱がすぞ」


風呂場に着いて服に手を掻けた瞬間、大人しかったのが嘘のように抵抗し出した。


「ぁ、ゃ、ゃだっやめ……やだっやだっ!!」

ゆるゆる首を振り、泣きそうな顔をして抵抗する。


「…分かった、分かったから、落ち着け」


服から手を離し、頭を撫でてやる。


「自分で脱げるか?」


聞くと、こくりと頷いてゆっくりシャツのボタンを外し出すが、力が入らないのかなかなか外れない。


「………」

「………」

「…………ぅ、…っ」

「あ゙ー!!泣くなって。ボタンだけ外してやるから!!」


結局ボタンだけ外してやり、その他にも出来ないだろうベルトとスラックスのボタンも外してやった。

そいつは俺が動く度にビクビクしていた。


「心配しなくても何もしねぇよ」


ポンポンと頭を撫で、自分も制服を脱ぐ。
脱ぎ終わった後、同じく脱ぎ終わり、脱いだ衣服を恥ずかしそうに握りしめているそいつにタオルを渡した。


タオルを腰に巻き、そいつを抱きかかえて風呂に入る。




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あきゅろす。
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