星の契り
◇きっとまた会えるから
三日目と四日目は星夜は家族と過ごす事になっている。
星夜の家族とは、見舞いの時に顔合わせしたりしている。
今では軽く話したりする仲になった。
三日目は星夜の家にご飯に誘われたりしたけど、家族水入らずで過ごしなと四日目は家に遊びに行くと約束して、俺も会いたかったけど電話とメールだけで我慢した。
「……っもしもし!!」
『おー、早かったな』
夕飯の後、大翔から電話がきて、慌てて通話ボタンを押す。
「あ、っと…その…ぁ、明日!!明日、いつ頃来る?」
『そうだなー…夕飯食うだけだし…』
一緒にいたいとか…思ってくれないのかな…
そこまで考えてはっとする。
面倒くさいとか、思ってるの、かな…
悲しくなった。
『どうした?今日は静かだな。なんかあったか?』
「ううん…なんもないよ」
馬鹿。
心なしか声が暗くなってしまった。
これじゃあなんかあったって言ってるようなものじゃないか。
『…星夜、明日、用事あるか?』
「えっ!!ないよ」
『じゃあさ、明日10時くらいにそっち行ってもいいか?』
「!!っうん!!全然大丈夫だよ!!」
大翔は優しいのに、面倒くさいなんて思うわけないじゃないか。
自分に言い聞かせた。
『星夜』
「なに?」
『やっぱりなんかあっただろ』
「…どうして?」
『声聞けばわかる。言ってみな?』
大翔は全部お見通しなのかな。
「………ぁ……ぃ」
『ん?』
「…あいたい…」
気づけば思わず呟いていた。
『…』
「迷惑だよね、ごめんね、こんな遅くに。気にしないで」
慌てて言えば、大翔は無言のまま。
これじゃあ、本当に面倒くさいやつだ…
一人落ち込んでいると、やっと大翔の声が聞こえてきた。
内容を聞いたおれはびっくりして、慌てて外へ出た。
「星夜」
ほ、ほんとにいた…
電話の内容は、外に出ればすぐ会えるよというものだった。
「大翔っ」
星夜は電話を切って駆け寄ると、なんとも言えない表情で俯いた。
「星夜、俺も会いたかったよ」
そう言って、抱きしめてくれた。
嬉しくて、おれも背中に手を回す。
「だいすき」
ぎゅっと手に力を入れれば、俺は愛してる。と囁かれ、大翔はそっと腕を解くと、手を引っ張られる。
「散歩しよう」
夜は人が全然いなくて、周りを気にせず手を繋いで二人でゆっくり歩いた。
河原に二人寝転んで、夜空を見上げる。
「星夜があいたいって言ってくれた時、嬉しかった。俺だけじゃないって。星夜も一緒だって」
「そ、そんなのっ…おれ、だって…」
「うん、一緒」
言ってる内にだんだん小さくなっていくおれの言葉に、嬉しそうに一緒だと言った大翔。
さっき伝え損ねた言葉を思い出して、おれから手を繋ぐ。
「おれも、愛してるからね」
満面の笑顔で伝えれば、大翔は照れながらも嬉しそうに笑っていた。
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