蒼乃学園生徒会
10
「こんにちは、ようこそ蒼乃学園へ。私は貴方を理事長室まで案内をする、生徒会副会長、朔宮色です。」
―ニコッ
「色って言うのか。色って綺麗だよなっ!!思わず見とれてしまったぞ!!俺は蒼乃千莎、よろしくなっ!!俺の事は千莎って呼んでいいぞ!!!」
――イラッ
「いえ、結構ですよ。あのそれと蒼乃くん、私はあなたよりも先輩です。責めて敬語を使って下さいね。あと私の事は、副会長又は先輩もしくわ朔宮先輩と呼んで下さい。」
―ニコッ
「そんな遠慮すんなって!!だって俺ら友達だろ!!!」
「は?」
(いやいやいや、え?いつお前と友達になったよ)
僕は今、物凄く間の抜けた顔をしていると思う。
「友達は名前呼びで、友達に敬語を使うのはおかしいだろ?」
(おかしいのはお前の頭だろ!)
「あの、いつ僕は君「千莎」と友達になったのかな?」
―ニコッ
「遠慮すんなって!!あ、色、照れてんのか?照れてんだろ。もぅ色は照れ屋さんだなぁ♪」
――イライライライラッ
「いやいやいや、僕、全然遠慮してないよ。僕はもぅ友達は足りてるから君はいらないかな?」
―ニコッ
「要らないとか言うな!!人にそんな事言っちゃいけないんだぞ!よしっ俺がしっかりそこんところも教えてやるからな!!安心していいぞ!!!」
――イライライライライライラッ
(こいつふざけてんのか?あぁ馬鹿なのか。馬鹿なんだな。あーイライラする!早く理事長室着かないーかな)
「ハァ、別に僕は照れてもいませんし、何も教えて頂かなくて結構ですよ。」
―ニコッ
「あ、色!!さっきっから無理して笑うなって!」
――ピシッ
(何かなーこのウザったいの。本当っ潰していいかなー。結構堪えてるよね、いいかな。)
「そぅですか?僕は普通ですよ。」
「それが普通なのか、可哀想だな色。いつもそんな作り笑顔をしてるのか?辛いよな?我慢しなくていいぞ?俺の前ではそんな作り笑顔何てせずに有りの侭の、素直な色で居ていいぞ?ほら」
――ブチッ
「は?お前何ふざてるんですか?僕はこれが良いからこの恰好をしてるんですよ?あのさー君、でしゃばりすぎだよね。ウザい。あー本当っ消えて欲しいよ。いっそのこと僕が消してあげましょうか?僕は君が大嫌いなんです」
と言った色は、笑っていたが目は全く笑って無かった。その目は見るだけで人を殺せそうだった。
色の後ろにはこの時、船若が見えた。
「え!そ、そんな事言うなよっ!!友達にそんな事言っちゃいけないんだぞ!!!」
「ハァ……。」
(本当にこいつの頭の中どうなってるんだろ。何かまたさっきと同じ事言ってるし。ここまで来たら怒りを通り越して呆れて何も言えないよ。あー決めた。あともぅ少しで理事長室に着くし、着くまで何もしゃべりません)
「――ッておい!色!!聞いてんのか?!!!ちゃんと人の話はしっかりと聞かなきゃ駄目だろっ!!」
「なぁー色〜!」
「返事しろよ!!」
「ここが理事長室になります。では私はこれで」
「ッて!ちょ…おい!!色!!!!」
「では、さよなら」
(よしっ!!上手く逃げ切れた!何か後ろでキャンキャン騒いでいるが無視しよう!あーもぅ二度とあのもじゃと会いたくないなー。あー疲れた。)
この転入生との出会いがこれからの色の日常だけでなく、
蒼乃学園までも狂わせる原因になるなんてこの時の色は思いもしなかった。
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