志を受け継ぐ者 第三節 2つの炎が迫り来るという状況にあるリガスは、意外に冷静だった。 剣から漏れるほどに光の力がたまっていく。 宝石の如く輝き、光るその剣は、バズの放った2つの炎を両方まとめて切り裂いた。 その炎の後ろから、心身共に熱い漢が迫る。 リガスは剣を逆手に持ち、バズに体の片側だけを向けた。 バズは勢いに任せ、猛ラッシュをかける。 「!?」 リガスは、バズの攻撃を全て受け流している。 それだけではなく、流しながら微かに一撃与えている。 バズは攻撃を一旦中断した。 それとほぼ同時に、リガスがカウンター攻撃を仕掛けた。 (マズい…!! このタイミングじゃ避けられない!!) リガスが斬りつけると同時に、バズの体から光が爆発した。 「ウッ…!!」 バズは倒れそうになるが、踏みとどまった。 (今のは何だ…!? いったい何が起こった!?) 「何が起こったか知りたいか?」 「! 勘が鋭いのも相変わらずだな。」 「まぁな。さっき、お前の攻撃を受け流しながら、密かに攻撃していた。その際に、私の光の力を少しずつ注入した。後はその力を働かせずに次の攻撃のチャンスを待ち、そして確実に当てる。それと同時に注入した力を爆発させた、というわけだ。」 「おかげで、俺の火の力が大幅に外に弾き出された。同時に剣のダメージまで受けるし、厄介な技だな。」 「アイツもこの技を嫌っていた。まぁ、アイツには打開策を見つけられたがな。」 [*前へ][次へ#] [戻る] |