小説2 第六節 言葉を失うとはまさに、今の俺達のことを言うのだろう。 「いや、気にするな。わかっていた事だ…。」 確かに以前、イヴは自分の村がデモルに襲われたと言っていたな… 「ジエルが助けてくれたんじゃ…?」 俺はすぐに聞いた。 「また襲われたんだろう。ジエルとデモルが戦う直前、デモルは村を一つ潰した後だったらしいな。多分、それがここだ。」 俺は、その時の情景を思い出していた。 そのことに気を取られ、「おかしなところ」が一つあるのに気づかなかった。 リガスさんがそこに気づいた。 「ジエルの助けはなかったのか?」 「助けるのは一度だけとか、何か決まりでもあるんじゃないッスか?」 すると、ビーナが強く言った。 「そんなこと無いよ!!あの人は優しい人だもん!!何度でも助けてくれる筈だよ!」 「じゃあ何でだよ?」 「それは……」 [*前へ][次へ#] [戻る] |