小説2 第一節 多分、生まれて初めてだろう。 陽が明るく照らす居住区の外を見た俺は、急に緊張した。 「これが…居住区の外…?」 ビーナもバズも、似たようなリアクションだ。 「荒れてるじゃねえかよ…」 植物はほとんど枯れていた。 生き物も見当たらない。 「昼夜のバランスが崩れたことで、植物が枯れだしたんだ。そこから食物連鎖が崩れて動物も姿を消した。」 リガスさんの言葉を聞いても、いまいち納得出来なかった。 「西の方に街があるらしい。そこに向かうぞ。」 リガスさんの呼びかけに、俺達は少し遅れて反応した。 [次へ#] [戻る] |