小説2 第九節 ――― 矢の数はかなり多い。 だがジエル、全ての矢を真っ正面から向かわせたのがお前の間違いだ!! 全部撃ち落としてやるよ!! ――― 「師匠!?」 師匠は両方の拳に力を込めるように構える。 「遅え!!」 師匠は、全ての矢を殴り飛ばした。 破裂した光の矢による、軽い目眩ましが消えた頃、ジエルは既に師匠のすぐ横まで迫っていた。 口から何か漏れている。 あれは…霧…? 「師匠!!危ない!!」 「あぁ?」 ジエルはすぐに指を鳴らし、冷気が発生した。 「師匠!!」 霧が晴れると、師匠は凍っていた。 「ウッ!?」 「何!?」 俺とイヴは、天使の輪で拘束された。 「そこで見ていなさい。」 ジエルの手に宿った光は、腕を横に払うと同時に、複数になり、師匠を取り囲んだ。 それらは、矢の形に変形する。 「これならどうでしょうか?」 矢は、動きだした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |