小説2 第四節 「これを見ても、そう思えますか?」 ジエルの手にあるのは、紙の切れ端だった。 「まさか…ジークの日記の!?」 「あの時、日記を破ったのは、私です。ジーク様は、希望を与えるために、日記を残したと言っていました。"偽り"の希望を。」 ジエル自身もまた、同様というわけか…! 「おいジエル、お前はこの嬢ちゃんや俺達、それとお前を信じてた人間全員を裏切るってのか?」 「はい。」 「そうか。だったら話は早え。お前は敵だ。」 「はい。」 ビーナが慌てながら言った。 「そんな!? ジエルさんと戦うなんて…私イヤだよ!!」 「すまねえな、嬢ちゃん。今回だけは、腹の虫がおさまらねえ…!!」 怒りを露わにするファイストさんに、ビーナも俺もたじろいだ。 「愚かな…」 ジエルは巨大な光の剣をファイストさんに振り下ろした。 「!? な!?」 ファイストさんは、それを白刃取りした。 そして、特攻服を脱ぎながら言った。 「もう一度言う、俺は頭にきてんだよ!!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |