小説2-V 第六節 船員やカイク達が船に乗り、出航の準備が完了する。 いよいよその時が来たのだ。 汽笛を鳴らし、船はゆっくりと動き出す。 「負けんじゃねーぞー!!」 「ちゃんと帰ってこいよー!!」 ユナイクやミルジア達が船の方に手を振り、フェナイスやビーナがそれに答えるように船から手を振り返した。 船はどんどん小さくなっていく頃、ジエルが最初に声を発した。 「さて、では私達も行きましょう。」 「どこに?」 「敵側が奇襲を仕掛けるとすれば、狙われるのが町だけとは限りません。あの製薬会社が管理下に置いていた、エーテル薬剤の原料が採れる鉱山も標的になる可能性が高いです。彼らの狙いはあくまでも兵器のエネルギー源…」 「あそこを守らずに放っておくわけにはいかねえってわけか…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |