小説1-V 第八節 施設はどうやら工場のようで、見たことのない大きな機械がいくつも動いている。 しかし人の姿が見当たらず、施設内には自分達2人以外の人の姿が確認できない。 「クロウ様、ここはもしや…」 「ここは第二工場で独立制御式無人工場。エーテルとその材料となるベースブロックを作っているようだ。」 クロウはそう言って機械にセットされている鉱石を掴み取る。 「これは…?」 「"属性鉱石"と呼ばれる代物だ。天然の物で、属性の力が宿っている。」 「これを加工して…」 「本土大陸側の山中で、建築資材として採ってるようだがな。」 「でも、ここを止めてしまえばこれ以上の製造はできない筈ですわ。」 「そうだな。行くぞ。ここの機能を完全に停止させる。」 「わかりました。」 クロウは足早に工場の奥に向かい、フロールは少し慌てながらクロウについて行く。 [*前へ][次へ#] [戻る] |