小説1-V 第二節 「いない?」 「えぇ、ここ最近で引っ越した人はいないね。」 「そうですか。それともう一つ、ベルム=レンデルという方がこの村に来ていませんでしたか?」 「いや、来てないなぁ。」 「わかりました。ご協力ありがとうございます。」 レイドとラルスは頭を軽く下げ、去っていった。 「…初めてのパターンかな? 引っ越した人がいないなんて。」 「そうだな。何故かは知らんが、もう少し調査しない事にゃわからねえな。」 「そうだね。」 時刻が昼過ぎになる頃―― 「う…ん…」 ライノアが目を覚ました。 まず彼の目に入ったのはエスニックな天井、その次にベッドの隣に居るテリナの姿だった。 「あ、起きました?」 「貴女は確か…テリナさん…?」 「はい。医者の人を呼んできますね。」 [*前へ][次へ#] [戻る] |