小説1-V 第十節 「そうか…」 「あ、川を凍らせるのは?」 テリナの発案にレイドは申し訳なさそうに答える。 「悪いが、それも無理だな。表面を凍らせることは簡単だが、あの大きさの川を渡るとなると、かなり氷を厚くし、さらに氷その物が川に流されないよう頑丈に固定する必要がある。凍らせる範囲も考えると、俺1人じゃ無理だ。」 「フレイヤと一緒ならどうだ?」 「…まぁそれならできると思うが…」 「ん? 何か問題が…」 ラムドがそう言った途端、レイドが着けているマントに"断固拒否"と文字が浮かんだ。 「…」 「フレイヤ曰く、そんな事をしたら川の中に居る生き物にまで影響が出るから嫌だとのことだ。」 「そうか…大人しく、川に沿って東に行くしかなさそうだな。」 「…あぁ、そうだな。」 一行は地図上にある村に向かった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |