小説1-V
第十節
「…!!」
ラルスは炎の真下から、水を打ち上げるように発射する。
炎は徐々に鎮火しながら、小さくなっていく。
「その程度で自然の驚異に勝てるものか!!」
「え!?」
炎が勢いを取り戻し、元の大きさまで膨れ上がった。
より激しさを増した炎は、吹き上がる水を先ほどとは逆に蒸発させ、かき消している。
「っ…!! このままじゃ…!!」
「ラルス!! そのまま続けてくれ!!」
「レイ君!?」
「ネル!! サマイル!! あれに突撃する!! 力を貸してくれ!!」
レイは剣を抜き、構える。
「オッケー!!」
「了解です!!」
ネルはレイの力を増幅させ、サマイルは炎から身を守る地の加護を与えた。
そしてレイ自身は能力を高ぶらせていく。
「いくぜぇぇ!!」
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