小説1-V 第十六節 「危な…!!」 サルトは剣でガードしていたが、体勢を大きく崩す。 「もらったぁ!!」 ソイラは右の拳に火の力を強くため、竿を手放してサルトの懐目掛けて殴りかかる。 「っ…!! この!!」 サルトはカーテンに手を伸ばしてそのまま引きちぎり、ソイラの攻撃と視界を阻ませるように目の前に広げた。 「うっ!?」 ソイラは燃えるカーテンで前が見えなくなり、サルトはその隙にソイラの後ろに回り込んだ。 「!?」 「ハァ!!」 ソイラはすぐさま回避するが間に合わず、背中を僅かに切られた。 「もー、このカーテン高かったのに!!」 「引きちぎったのはアンタでしょ!!」 「そうさせたのはそっちよ!!」 再びぶつかり合う2人の後ろで、ラルスが燃えるカーテンの火を消した。 「火事になったら大変だしね。邪魔にはなってない?」 「えぇ、恐らくは。」 [*前へ][次へ#] [戻る] |