小説1-Ⅲ
第九節
遥か上でレイ達を見下ろすケンタウロスは、その炎の塊をレイ達に投げ飛ばした。
｢な!?｣
正面にはたった今出来上がった山にケンタウロス、そして後ろにはさっき通ってきた燃え盛る林。
｢左右に散らばるんだ!!｣
｢いつもそう上手くいくとは限らんぞ!!｣
ケンタウロスが両手を左右に力強く広げると、彼が先ほど作った山が噴火を起こす。
｢!?｣
その火山弾はレイ達が今いる場所どころか、その左右にまで降り注ぐ。
火山弾は運良く当たらなかったが、それに怯んだ間にマグマが流れ込み、行く手を阻む。
｢これで逃げ場はなくなったな…!!｣
｢まだだ!! あの炎の塊をどうにかすれば…!!｣
ラルスが魔導書を開く。
｢なら、私がやってみる!!｣
｢わかった、頼むぞ!!｣
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