小説1-V
第五節
「これから戦う相手とお茶して、ちょっと美味い物頂いたからって気を抜くほど、あたしはバカじゃない。」
ソイラから笑顔が消えた。
「へぇ、案外修羅場は越えてきてるのね。」
「意外だった?」
「全然。目を見ればわかるだいたいもの。」
「じゃあ何であんなことしたわけ?」
「あんなの挨拶よ。私流のね。」
「随分と野蛮な挨拶で。」
サルトは剣をソイラのガントレットから離し、その剣を一度鞘に蔵った。
「さて、スコーンとミルクティーごちそうさま。」
「はい、お粗末様。」
ソイラは立ち上がり、テーブルから離れた。
サルトもソイラに向かい合う位置に立ち、剣を構える。
「ソイラ=リルト!! いくわよ!!」
「サルト=ヴァスカディラン。よろしくね。」
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