小説1-V
第四節
ソイラが手に取ったスコーンの表面は薄茶色で、大きめの粒にしたチョコレート、いわゆるチョコレートチップが付いている。
バターの香りがソイラの鼻へと入っていく。
ソイラはそれを口に運び、頬張った。
パン生地とチョコレートが口の中で絡み合う。
パン生地には砂糖が多めに加えられているようで、より甘い味になっている。
口の中で、パン生地のややパサパサした食感の中に、溶けたチョコレートが入り込んでくる。
「んー!! 美味い!!」
ソイラは指に付いたスコーンの粉をペロッと舐め、ミルクティーを口に流し込む。
「はー、幸せ。」
その瞬間、ソイラは自分の顔の真横に迫ってきた剣を、笑顔を崩すことなくガントレットで止めていた。
「…お見事。」
「どうもありがとう。」
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