小説1-V
第五節
「守るのは正面だけなの?」
「!?」
火炎放射の中から蛇の様な溶岩が現れ、ラルスの展開する水の壁を左右に分かれて避け、そのままラルスに襲いかかる。
「ハッ!!」
ラルスは水の壁を展開したまま左右にそれぞれ3本ずつ水の槍を放ち、溶岩を固めた。
「まさか溶岩を操るなんてな…」
「つーか卑怯よ!! こんなの場所的に向こうが有利じゃないのよ!!」
ソイラの言葉にワスプルは少しムッとし、言葉を返す。
「何がいけないの? 戦いに勝つ為なら当たり前じゃん。遊びでやってるんじゃないんだよ。」
「ぐっ…」
ラルスがソイラを背に言う。
「ソイラさん、この子は間違いなく強い。魔導は精神力の勝負なの。火の力で溶岩を操れるなんて、並の能力者じゃ到底できないよ。ここの方が相手は実力を出し切れる。そういう意味じゃここの方が平等だよ。」
「…まぁ、アンタがそう言うなら良いけどさ。」
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