小説1-V
第十節
「チャンス…!!」
ネルは短剣を持ち替えながら、2回3回と強く振るった。
巨大な風の刃がサオウに飛んでいく。
「うぐぉ!!」
サオウはとっさに水の力を纏うが、飛んでくる風の刃に直撃してしまう。
1発目は水の力によってなんとか凌ぐが、2発目で水の力は吹き飛ばされ、3発目がサオウにダメージを与えた。
サオウはよろけながらも着地し、傷を手で押さえる。
水の力で傷を癒やしながら、サオウはネルの方を向く。
「やっぱ、思った通りの実力だな…!!」
「お気に召したかしら?」
「あぁ、最高だぜ!!」
サオウは再びネルに向かっていく。
(奴の能力は水…忘れてたけど、回復なんてお手の物よね。)
「フン!!」
サオウの拳をネルは屈んで躱し、短剣を逆手に持って突き刺しにかかる。
サオウはそれを手甲で止める。
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