小説1-V
第六節
ネルは隙の出来たサオウに短剣を振るう。
「甘えよ!!」
サオウは右手の手甲で短剣をガードし、そのまま右腕を回して短剣を掴む。
そのまま右手を軸に体を回し、左腕で肘打ちを繰り出す。
「!?」
ネルは頭を下げて回避し、それを見たサオウはすぐにネルから離れた。
サオウは川の水に手を入れ、そのままその手を振り上げる。
すると、水が刃の様な形となり、それがネルに襲いかかる。
「な!?」
ネルはとっさに躱し、水の刃が後ろにあった岩を真っ二つに切り裂く。
「どうやったら水が岩を真っ二つに切り裂くのかしら?」
「さぁな、勝手に考えてな!!」
サオウは何発も水の刃を飛ばす。
「…逃げてたらキリがないわね…!!」
ネルは短剣を引き気味に構え、そこに風の力をためる。
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