小説1-V
第一節
今回の出国騒ぎの真相を掴むべく、ミッドイーストカントリーへ向かうことになったレイ一行。
南側に出る道を探す途中、レイが霊峰"四國嶽"に興味を抱き、一行は北東に向かっている。
道中、ゼンが気づく。
「なぁ、やっぱり川の幅狭くなってるんじゃないか?」
「…そうみてえだな。ってことはもうちょっと川に沿って進めば渡れるんじゃね?」
「かもな…あれ?」
ゼンが川を追うように目線を走らせる。
「この川…おかしくないか?」
「何が?」
「だってこの川…あの山に向かってる…」
「…あー…マジだな。どうなってんだこりゃあ…」
「川は山から流れてくるものだと思っていたんだけどなぁ…」
一行はその山を見てギョッとする。
「…何か不気味だな。あれが霊峰か?」
霊峰の上空に黒い雲が集まり、雷が落ちた瞬間が見えた。
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