小説1-V
第四節
「私達もだけど、こんな経験は初めてだろうしね…」
テリナが、レイの座席の横に立てかけてあるレイの剣を見つめながら言う。
「レイ君の剣…なんだか様子がおかしいみたい…」
「剣?」
「なんだか、とても悲しそうな…」
「剣が?」
ソイラが席を乗り上げ、話す。
「有り得なくない? 剣でしょ?」
「ソイラ、危ないから座ってなさい。」
「あ、は〜い…」
ネルとテリナの席の前の席に座るラムドが腕を組んで考える。
「普通なら有り得ない話だが、レイのオリハルコン・ツヴァイハンダーではそうとも言い切れない。あの剣は持ち主の心に呼応して性能が変わる剣みたいだからな。今のレイのことを考えれば、テリナの言うこともわからなくはない。」
「なるほどね…それもそうか。」
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