小説1-V
第三節
「…ムッ…誰だ!?」
銀の騎士は部屋の外から物音を聞き、注意を向ける。
部屋から出ると、施設屋外へと続く扉に消えていく、長い金髪の女の後ろ姿が僅かだが見えた。
「待て!!」
銀の騎士は女は追いかけ、施設屋外に出る。
(いったいどこに…!?)
その時、銀の騎士の背後から声が聞こえる。
「…哀れですわね…」
「!! そこか!!」
銀の騎士は背後の気配に向かって振り向きながら剣を突き出した。
「…」
(避けない!?)
しかし、女の体は陽炎の様にゆらめき、剣は当たらずにすり抜けていく。
「!?」
銀の騎士は何が起きたかわからず、思わず後ずさりした。
「貴様…何者だ!!」
「私はフロール。」
「名前などどうでも良い!! お前は果たして人間なのかと聞いている!!」
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