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小説1-V
第五節
「2年前の戦いは大変だったよなぁ。」

「あのシグルスとかいうクソ野郎の面は思い出すだけで腹が立ってくるぜ。」

「俺もだよレイド。本当に倒せて良かった。」

シグルスとは、2年前に戦った巨悪の正体である。

12年前、隕石に乗ってイーストキャニオンに突如現れ力を欲し、そして手に入れたが、レイ達によって倒された。

「封印の獣はクロウが倒したな。」

「あぁ。封印の獣はただ者じゃなかった。もし戦ったのが俺達だったらなんて、考えただけで恐ろしいよ。」

封印の獣とは、17年前にレイの父親を始めとする猛者達によって封印された、獣の姿をした"魔神"である。

この魔神は元々は人を象っていた。圧倒的な力を有するが故にあらゆるモノに絶望し、世界を大崩壊に導こうとした。しかし、その際に解放した力によって空間が歪み、大崩壊は失敗、自身はおぞましい獣のような姿になり、レイ達の住む世界に転移した。

シグルスはこの封印の獣が持つ恐るべき力すらも欲しており、封印を刺激したことで力が大陸中に漏れ、それが人々の記憶欠損や感情を不安定化させるなどの悪影響をもたらした。

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