小説1-V
第九節
ゼンが要件を大まかに話すと、それを聞いた女性は焦ったような喋り方で返す。
「少々お待ちください。上の者に替わります。」
声はそこで一旦途絶え、電話からは音楽が流れ出した。
数分後音楽が止まって、今度は男の声が聞こえる。
「お電話替わりました、要素監査団兵団部門のメルジオです。」
「どうも。早速本題の方に…」
「えぇ。非人道的な賭博試合…でしたか?」
「はい。そこで行われる“チャレンジマッチ”という試合で容赦なく人を…。場所は“ブラッドカジノ”と書かれたネオンがある小さな建物の地下で…」
「場所は?」
「えーと、ノースウエスト街南の交差点を…」
ゼンがカジノの場所を詳しく教える。
電話の向こうでは場所を聞きながらメルジオが部下に指示を出し、部下がカジノについてをPCで調べていた。
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