小説1-V
第五節
「あ、あぁ。すげぇ顔だったな。この世のものとは思えねえような…」
「違う、そうじゃない。国王の頭に…」
「頭?」
「あぁ、デカい蟲が居た。」
「蟲ィ?」
ガァンがジョウの横で喋る。
「見たぜ。あの蟲はたしか魔物の一種だ。あの野郎が国王の後頭部にドデカい針を突き刺してやがった。」
「それであんな状態になってしまったのか…」
「あの蟲が悪さしてるんなら、アイツを潰せば助けられる…」
「いや、多分無理だ…。ヤツが国王を乗っ取っているのは確かだろうが、侵食支配されてだいぶ時間がたっているようだ。助けようがない…」
「…チッ、じゃあ国王ごとやるしかねえってわけだ。」
「そのようだな。」
レイ達は身構える。
「で、どうすんの? 国王様を助けられなくても、あの蟲をやるんだろうけど。」
「そうだな…まずあの突進を受け止めなければ…」
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