小説1-V
第十節
「あぁ。レイシリーズは属性兵器群に対抗できる力だからな。欲しい奴が出てくるのも容易に想像できる。そういう輩はどこの世界にもいるものだ。」
「なるほど…」
「さぁ、そろそろ君達もここを出た方が良い。いつ奴らが来るかわからんからな。」
「わかりました。いろいろありがとうございます。じゃあ、俺達はこれで…」
「あぁ。気をつけてな。入り口はまた隠しておこう。」
「それじゃあ。」
「…もう会うこともないだろう。」
「え?」
「いや、なんでもない。」
レイ達は研究所を出た。
「私も、もう長くはない…罰が下るのも時間の問題…。属性兵器群、自立粒子、レイシリーズ…そして非人道的な複脳結着実験。どれもこれも"私"が作り出してしまった脅威。次元回廊に無限に存在する世界を守るために開発したはずだったが…。どの世界の私もこのような結末を迎えることになるとは思いもしなかっただろうな。…オリジナルの私の存在が一番の脅威であった以上、裁きを受けなければならないのは当然か。」
フェデルは研究所入り口の扉のすぐ隣にあるスイッチを押した。
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