小説1-V
第九節
「その上自分で動くこともできないんだ。」
「だからそこからさらにクローンを?」
「あぁ。試してみたら今度は上手くいったんだ。」
「でもこの研究所にはそれらしきものは…」
「飛ばしたんだ。異世界にな。」
「異世界に?」
「実は君のクローンからさらに作った最初のクローン“Mk1”の細胞が完成した途端に、この世界とは違う並行世界に飛んでいってしまってな。」
「はぁ…」
「詳しいことは省くが、私はその現象の原因を解き明かし、異世界への転送装置を作った。」
「何故?」
「私のレイシリーズを狙う者が居るのだ。だからやむを得ずな。」
「狙う奴が?」
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