小説1-V
第四節
「その…色々と心配かけちゃってごめん。あのね母さん、私いっぱい友達できたんだよ。ネルちゃんやレイ君にソイラさんに…本当にいっぱいできたの。それに、ニハイアさんにもお世話になったの。この場所まで案内してくれたのもニハイアさんなんだよ。」
テリナは楽しそうに、しかしどこか悲しげに話していた。
「母さん。私…ここに来て良かったって思ってる。悪い事も沢山あったけど、それ以上に大切なものを取り戻した気がするんだ。だから…」
テリナは目から零れてきた涙を手で拭い、笑顔を見せた。
「ありがとう。母さん。」
吹き込んでくる木枯らしの音に混じって、どこからか笑い声が聞こえた…
少なくとも、テリナにはそう聞こえたみたいだった。
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