小説1-V
第九節
しばらく山脈を登ると、雪が見えてくるようになった。
辺りは既に夕暮れ。
しかし、不思議な現象が起きていた。
「…暑い…」
「あぁ、暑いな…もう日は暮れたというのに…」
「かなり登ってきたから、冷えると思ったんだがな…」
その時、フレイヤが突然警戒しだした。
「フレイヤ、どうした?」
フレイヤの見ている方向に目を向ける。
「!?」
山脈の陰から、黒い鳥の群れが飛び出してきた。
「あれは…鴉!?」
「いや、あの三本足…あれは八咫烏(ヤタガラス)だ!!」
「八咫烏!?」
一際大きな八咫烏がレイ達の前に現れた。
「何だ貴様らは!?」
「喋った!?」
「さては、また俺達の住処を奪いに来たな!?」
「え!?」
「鉱山開発とやらで住処を奪われたと思ったら…もう勘弁ならん!! こうなったら力ずくで黙らせてやる!!」
八咫烏がレイ達に襲いかかってきた。
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