小説1-V
第九節
しかし、その階段に近づいた途端に鉄格子が下りてきて、階段へ続く通路が塞がれてしまった。
「なんだこりゃ?」
「あーセキュリティーが誤作動起こしたのかも。」
「誤作動?」
「ほら、古い施設みたいだし、何か強い衝撃を感知して装置が誤作動を起こしたんだよ多分。」
「強い衝撃って、いったい何…」
その瞬間、何か重々しい足音のような振動がレイ達に伝わってくる。
「あー…全部理解した。」
「何か居るね…魔物かな?」
「何にせよ、警戒は怠るな…静かに待って、相手の居場所を探るんだ。」
「わかった。」
レイ達は静かに武器を構え、警戒を強めていく。
レイ達が先ほど通ってきた扉の向こうから、壁を破壊する音と雄叫びが聞こえる。
「おい…やべえぞ…!!」
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