小説1-V
第二節
レイがただならぬ表情で突如振り向いた。
地下への階段の方を向き、レイは後ろに跳んだ。
「れ、レイ!? どうした!?」
(い、今のはなんだ!?)
レイは背中から感じた並々ならぬ気配に、冷や汗と鳥肌が止まらなかった。
目の瞳孔は開き、息が荒くなっている。
「レイ…?」
「!? あ…」
「顔色悪いわよ…? 剣まで握って…」
「え!? あ、あぁ…大丈夫…」
自分の心臓の音がまだ聞こえる。
ネルに言われるまで自分が剣を握っていることに気づかなかった。
"握らずにはいられなかった"のである。
(今のは何だったんだ…怒り…恨み…哀しみ…いや、もっとごちゃごちゃしてた…皆は気づいていないみたいだったし…)
レイの様子から、仲間達は気を引き締める。
「すまなかった、皆。行こう。」
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