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小説1-V
第三節
「あの辺りでは山脈を崩して、開発を進めているんじゃない? 住宅地とか。」

「住む土地が新たに開発されたとなれば、物珍しさにやってくる人間もいるかもしれんな。」

テリナがそれを聞いて言う。

「じゃあ、この近くにお父さんがいるかもしれないってこと?」

「かもしれないけど、可能性はそこまで高くはないね。そこにいる理由がわからないし。」

ラムドが紅茶を啜り、ふぅと息を吐いて言う。

「いずれにしても、情報を集めてみるしかなさそうだな。」

「えぇ。でも今は休むことに専念しましょ。明日は登山になるんだから。」



窓から外を眺めるレイが、唐突に話す。

「ところで、あの北の山脈を越えたら何があるんだ?」

「確かあの山脈は山頂からほぼ同じ高さでさらに北を通って…南につながっているらしい。だが山頂は恐ろしく高く、越えることはおろか登りつめることも困難だと聞いた。」

ガァンが関心するように言った。

「詳しいなラムドちゃん、どこで知ったんだい。」

「洞窟に入る前の村の図書館で、な」

「へぇ、勤勉だな。」

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