小説1-V
第四節
「そうだ、あの兵団が例の奴らを解放する気なんだってよ。」
「だが、奴らはこの街に留まるみたいだ。今の内に俺達が塔へ向かって、"究極の特殊精鋭"を潰せば…」
「全部解決ってわけだな。」
フレイヤが巨大化し、気合いを入れるように吠える。
「よし、フレイヤに乗ってさっさと行こう。」
「よっしゃ!! 急ごうぜ!!」
一方、バートの塔――
「フンフフーンフーン…」
捕虜が閉じ込められている牢屋が並ぶ通路を、神父服を着た青年が歩いている。
大鎌の柄を首の後ろにかけ、両腕をその大鎌の上に乗せ、鼻歌を歌っている。
「出せ!! ここから出せぇ!!」
「んー?」
捕虜の1人がその青年に叫ぶ。
「自由になりたいの? 任せてくれよ。おやすい御用さ。」
「ほ、本当か!?」
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