小説1-V
第九節
「クッ…!!」
一部の兵士達は爆発に巻き込まれ、他の兵士は爆発に怯んだ。
そこにレイドが走って近づき、怯んだ兵士を全員切り捨てる。
「よし、大分慣れた…ッ!?」
氷狼牙を納めるレイドの目に、ある人物が入り込んできた。
方角は東、城の方向である。
一瞬、抜刀の音が聞こえた。
レイドの氷狼牙で皆聞き慣れているから、抜刀の音だとはっきりわかった。
その音のした方向を見た瞬間、背筋が凍った。
「暴れますねぇ…」
肩まで伸びた黒い髪に、変わらない不気味な笑顔は最早忘れようにも忘れられない。
「イツェイル…!!」
「来てしまいましたか。バート領に。」
「あぁ。こっちも目的があるんでな。」
「以前より多少はやるようになったみたいですねぇ。」
「どうだかな。試してみるか?」
「威勢がいいですねぇ。結構なことです。」
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