小説1-V
第十節
「そういえばあのイツェイルって人も私を見てたような…」
「まさか…気づいてるのかな…」
「多分…」
「じゃあ何としても皆でテリナを守らないとな。」
―――
一方、ロル城ではドライ・スヴェトックが倒されたことの報告をニハイアが済ませたところだった。
部屋の窓際に立ち、外を眺めるネイレールと、その背中を見つめる形で立つニハイア。
危機感を覚える2人は、緊迫した様子で話していた。
「そう、あの娘達殺されたの…」
「はい。」
「ヤツらも結構なの寄越してきたじゃない…」
「如何致しますか?」
「いいわ…ニハイア。あの娘たち、取り返してきて頂戴。」
「言われるまでもありません。」
ニハイアは振り返り、部屋の扉のノブに手をかける。
「…あーそれと、"お土産"期待してるわよ。」
「…わかりました。」
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