小説1-V
第四節
「うぐ…ぅ…!!」
魔法陣は赤く光り出す。
兵士の背中、右肩寄りにあるタトゥーに、魔法陣の光が集まっていく。
「う…がぁ…!!」
タトゥーは少しずつ消えていき、それに伴って光も収まっていく。
「気分はどうだ?」
「…へっ、へへへ…力がみなぎってくるぜぇ…!!」
その一部始終を見ていたイツェイルは、不満そうな表情で舌打ちをし、その場を去った。
「オリジナルの良さがわからないのですかねえ。」
ロル領、城下町―――
レイ達はバート領には踏み込まず、疲弊した体を癒やす為に城下町で宿に泊まっていた。
宿の一室で一行は今後について話し合っている。
「…レイ、どうする? これから…」
「あぁ。あんな奴がいるんじゃ、このまま行っても犬死にだ。」
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