小説1-V
第九節
夜――
レイ達は領境に向けて着々と歩みを進めていた。
虫の鳴く声がどこからともなく響き渡ってくる。
緊張からか、皆無言のままだった。
「見えてきた…!! あれだ!!」
レイ達の見つめる先には、周りの街並みとは明らかに異質な雰囲気を放つ、仰々しい機械が設置されていた。
2本のサーチライトが不規則に動き、辺りを探っている。
レイ達から見て左右に機械は置いてある。
通り道を限定させる働きもしているように思えるほど、機械は大きい。
そして、その中央に居るのは3人の少女である。
何か食べている。
「あれがドライ・スヴェトック…晩飯の途中みたいだな。」
「おい、どうすんだよ。この警備の厳重さじゃあ、ジョウの言ってた作戦も決行できるかわかんねえぞ。」
「参ったなぁ…でも、やるしかないな。」
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