小説1-V
第五節
「今開ける。」
レイドが牢屋の鉄格子を切る。
中に居る人間達はレイ達に礼を言い、急いで外に逃げ出した。
一通り牢屋を壊し終える頃には、既に半分以上の人間が逃げ出していた。
「よし、これで最後か。」
「お疲れ様。」
「…ん?」
刀を納めるレイドが牢屋の中に居る娘を見て何かに気づく。
「…あ、助けていただいてどうもありがとうございます…」
「貴女はもしや…町長殿の娘さんでは?」
「え、父をご存知なんですか?」
「えぇ。それより、ここから脱出を…」
「あ、はい。」
レイ達は捕らえられていた若者達を逃がし、自分達も外に出た。
「しかし、若い連中をこんなに集めて…ロル卿は何を考えているんだか…」
「…あの…」
町長の娘がレイ達に話しかける。
「何でしょうか?」
「実は、ロル卿の目的を知っています…」
「え!?」
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