小説1-V 第十七節 「何か、懐かしいわね。」 一行は風の塔の前にいた。 「確か、ここでひたすら魔物と戦ったんだっけ?」 「そうそう、私とラムドだけでね。」 「あん時はあたしも参加したかったんだけどねぇー。」 「あら、そうなの?」 「ま、今更よね。」 ジョウが興味深そうに塔の周りを探索しているが、ゼンが余計な場所は触るまいと、必死に止めている。 「おーい!! 何か見たことない文字があったんだけどー!!」 ジョウが何かを見つけた。 「あぁ、あの古代文字か。」 「あぁーあれかぁ。懐かしいなぁ。」 古代文字とは遥か昔に存在し、能力の技術や文明に優れる一族である“クヴァ族”が使っていた文字である。 実はレイドはその末裔であるためか、その古代文字に関する文献をいくつか持っている。 そのため、少々ではあるがレイドは古代文字が読めるのである。 [*前へ][次へ#] [戻る] |