小説1-V
第四節
―――
町を走るベルムたち。
兵士たちに追われている。
「いたぞ! ベルムだ! 捕えろ!! 抵抗するなら容赦はするな!」
「急げ!! こっちだ! もう少しで山岳だ! 転移の石もあと一回は使える…! これでやっとあの鍛冶から逃れられる!」
山岳を目の前に、テリナを抱えた妻の脚に"炎の矢"が突き刺さる。
突き刺さった矢は爆発する。
「ネリス!! そんな!!」
「あなた…二人で逃げて…。早く…。この…娘を…。」
風で加速して飛来する炎の矢が激しくなる。
「…ッ!!」
ベルムはネリスから手渡されたテリナを抱きかかえて転移の石を強く握る。
"その娘だけは…彼らに…渡してはならない…。"
ベルムは"転移の石"を使い、兵士から逃れた。
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