小説1-V
第一節
20年以上前―――
「…ベルム殿。相変わらず君の作る武器は素晴らしい。」
「お褒めに預かり光栄であります。」
「これからも頼むぞ。」
「はい。あの…差し出がましいようですが、1つお願いが…」
「…なんだ?」
「…"転移の石"を頂戴したいのです。」
「"転移の石"? フォウズの外にでも出るつもりかね?」
「はい。この鍛冶技術を外の国に広め、世界の繁栄を図りたいのです。」
「なるほど。それは面白そうな考えだ。だがあれは希少な物だ。用意にはしばらく時間がかかる。」
「わかりました。では、今日はこれで…」
ベルムは部屋から出た。
「おい、誰か。」
「はっ。」
「あの男の動向を監視しろ。場合によっては王や他の大臣に報告せねばならん。」
「はっ!!」
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