小説1-V
第四節
一行はついに天山に足を踏み入れる。
朝の日差しがレイ達ごと辺りを照らし、暖める。
その身に背負った重たい荷物や徐々に険しくなる山道と相まって、天山に入って間もなく、レイ達の額に汗が少したまる。
頬を伝ってくる汗を、レイ達は軽く拭う。
しかし気温は少しずつ低下していき、徐々に汗の量は少なくなっていく。
汗の量に反比例する形で足や腰など、体の節々に痛みが蓄積されていく。
半日ほど経つ頃、レイ達は山小屋を見つけた。
「山小屋だ!!」
「もう夕方だし、今日はあそこに泊まりましょ。」
「おう、そうだな。」
レイ達は山小屋に入る。
外の様子は出発する時と違って、曇り空が広がっている。
山小屋はある程度掃除されており、そこそこ信頼できる造りになっている。
「この高さならまだ整備くらいはされているのか。」
「そんなに頻繁にやってるわけじゃなさそうだがな。」
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