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小説1-V
第三節
「つまり、山小屋があるかどうか期待できるのはこの辺りまでか…」

「なんで?」

「山小屋を建てた人間がいる筈だからだ。もし“建てたは良いが帰りの道中で死んだ”としても、その人間以外に山小屋を建てた事実を知る者がいないというのは考えにくい。」

「あ、そっかぁ…」



納得したソイラは頭をかいて不安そうに山を眺めた。





街を西に抜けると、天山の前に広がる森にさしかかった。

人が通らなくて長い時間が経っているのか、その道は半ば獣道と化している。

「この先に…あるんだな、っと。」

道の横から伸びる草木をかき分けながらレイは進む。

「魔物とかは居ないの?」

「居ないとみて良いんじゃねえか、と俺は思う。街の西側に魔物が出たって報告はかなり少ないからな。」

「なるほど。」



先頭のレイが森を抜ける。

「見えたぞ!!」



後続のソイラがレイに追いつく。

上を見ると、山の半分の高さにも到達していないにも関わらず、雲で先が見えなくなっている。

「見えないじゃない…」

「いやそうじゃなくて…」

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あきゅろす。
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