小説1-V
第二節
一通りの準備を終え、レイ達は出発した。
西にそびえる天山は朝焼けで照らされており、まるで燃えたぎる業火の様に赤い。
まだ山にすら到着していないというのに、それでもその恐るべき高さを実感できる。
「ジョウ、そういや地形図は手に入ったのか?」
「んー…まぁ手に入ったっちゃ手に入ったんだけどさ…途中から高さがわからなくなってんだよ…」
「どういうことだ?」
「見た方が早いかな。ちょっと待って。」
ジョウはポケットから地形図を取り出し、それを広げる。
「ほら。」
見てみると、天山の高さ3300mよりさらに高い場所は全て“Unknown”と表記されており、何があるかわからなくなっている。
「この高さから先は人が到達していないということか、もしくは到達したがこの山で命を落としたか…」
「それにしても広いですね。国1つ分…いや、それ以上の範囲に何があるかわかっていないなんて…」
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