小説1-V
第八節
サマイルは召還術の本を棚の元の位置に戻した。
「とにかく、あれほどの山を登るならそれ相応の準備が必要ですね。」
「そうだな。大量の食糧や飲み物、テントや寝袋にランタン…あの高さだ、寒さ対策用の装備に…あと多分ピッケルやアイゼンも必要だな。」
「地形図やコンパスはどうします?」
ジョウが椅子で普通とは逆向きに座ったまま、手をヒラヒラさせる。
「はいはーい、地形図は俺がなんとかするぜ。」
「おい、酒は持ってかねえのか? 寒い所に行くんならあっても損はねえだろ?」
「ガァンさん、アンタただ飲みたいだけなんじゃ…」
ソイラはラムドの横に立って話す。
「寒い所に行くならあたしの能力も重要ってことよね?」
「そうだな。期待してるぞソイラ。」
「任しといて!!」
ソイラが声を大きくした途端に、周りの一般客に睨まれてしまった。
「ソイラさん、図書館ではお静かに。」
「ご、ごめ〜ん。」
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