小説1-V
第七節
「…」
レイ達の足は動かない。
恐怖のあまり、自分の体を動かすことすらままならないのだ。
「どうした。来ないのか?」
目の前に立ちはだかるのは“フリオス東の主”…
その強さは、かつて戦った“紅い龍”にも匹敵する。
「あれを相手に攻め込むのは、なかなかできそうにないな…」
「そうか。それならこちらから攻めてやろう。」
ディアルスは低空で飛ぶかの如く、猛スピードで近づいてきた。
「!?」
大刀の横薙ぎをレイは辛うじて受け止める。
自分の顔のすぐ真横まで刃が迫っていたことに、レイは体を緊迫させる。
「ハァァ!!」
レイと接触した際にできた僅かな隙にソイラが飛び込む。
「…!!」
対してディアルスはレイと競り合ったまま、ソイラを睨む。
「え…!?」
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