小説1-V
第五節
「お前がその男の血族に飼われてから、もう2500年以上経つか。どうだ、今は"満足"しているか。」
「はい。」
「後悔したことはあるか。」
「一度だけ…後悔したことがあります。死んでいく主達を見てきて…不老という身を恨みました。」
「今はどうだ。」
「もう、後悔はありません。変化する人間達を見ているのが楽しい。だから…」
「では、お前はこの先もそのまま生き続けるというのだな?」
「はい。」
「…それでいい。お前はお前の道を行け。」
「…はい…」
「…もう少し、時間をやる。お前の主とやらにお礼の一つでも言ったらどうだ。」
「ディアルス様…」
「さっさとしろ。」
「…はい!!」
フレイヤはレイドの方を向いた。
「フレイヤ…」
「ご主人様…"あの時"助けてくれて本当に…本当にありがとうございます。私、ご主人様が大好きだから、これからも私を大切にしてください。」
レイドは"あの時"…自分が最初に罪を犯した"あの時"を思い出した。
「あぁ、大切にする。ずっとな。」
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